
《最終話》「前向きな売却と後ろ向きの売却?」の巻 |
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裕也
C谷さん、状況はよくわかりました。そこまで僕に話していただいて本当にありがとうございます。ただ、申し訳ありませんが、C谷さんの今の状況から考えますと、“借換え”や“買い替え”のように、これから新たにローンを組んでいく方法はかなり難しいと思います。
C谷
やっぱりそうですよね。でもそうすると、このまま延滞していったらいずれは“競売”ということになってしまうんでしょうか?
裕也
確かに、このまま何も手を打たないでいたらそうなると思います。でも僕はそれだけはさせたくありません。
C谷
そう言ってもらえるのはうれしいですが、仕方ないのかなぁ…。
裕也
C谷さん、僕はC谷さんのいるF地区を専門に担当しているんです。競売は地域の相場を下落させます。C谷さんだけではなく、僕の担当するF地区に住む方のためにも競売にだけはさせたくないんです。
C谷
でも、他に何か方法があるんですか?
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裕也
て、店長。
賢一
C谷さん、さぷりぶ店の店長の河原崎です。杉山が大変お世話になっております。
C谷
いえ、こちらこそ。
裕也
店長、“任意売却”って何ですか?
賢一
C谷さん、“任意売却”というのは、競売のように裁判所を通さずに、直接金融機関と売却後の借入残高について協議をしながら、あくまでも所有者の意志で前向きに売却を進めていく方法です。
C谷
それじゃ、売った後のローンの残りはどうなるんですか?
賢一
通常は、金利分を免除してもらって、残りの元金を無理のない支払額で分割して返済していくことになります。
裕也・C谷
そんなことができるんですか?
賢一
ええ、もちろん交渉は必要ですが、金融機関側も競売での落札価格よりも相場に近い額が回収できますので、応じてくれるはずです。
裕也
それじゃ、C谷さんの場合は、630万円を分割で支払っていけばいいんですね。
賢一
ただし、これから住む家の家賃と併せての支払いになるからね。例えば、毎月3万円ずつ返していくとしたら、その状態が17年半続くということだね。C谷さん、その覚悟が必要ですがいかがでしょうか?
C谷
えっ、17年半ですか…。でも、それで全て返せるんですよね?
賢一
そうです。C谷さんの借入に対する責任は果たせますよ。
C谷
そうですか…。わかりました、お願いします。
裕也
C谷さん、売却と交渉の方は“私”がしっかりとやらせていただきますから。
C谷
お願いしますね、杉山さん。
裕也
はい。
かなえ
C谷さんには、勇気のいる決断だったでしょうね。
賢一
そうだね、責任感の強い方だったから…。
賢蔵
それにしても、人が家の犠牲になっちゃいかんよなぁ。
裕也
“住まいは人が主役”ですからね。
賢蔵
言うじゃな〜い。
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− 完 −
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